新NISAは国の罠?やめた方がいい?よくある誤解に反論します

NISAについて考えるロボット NISA
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インターネットで「新NISA」と検索すると、「やめたほうがいい」「国の罠だ」といったネガティブな情報が目につきます。

SNSやブログで拡散されるこうした主張は、投資初心者を不安にさせることも…。

でもよくよく調べてみると、その理由は新NISAに限らない投資の一般的なリスクであったり、根拠が薄いものだったりすることに気づきました。

免責事項
本記事は投資に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品の推奨や投資アドバイスを構成するものではありません。投資には元本割れのリスクが伴います。投資判断はご自身の責任で行い、必要に応じて専門家にご相談ください。

なぜ?新NISAは「やめた方がいい」「国の罠」と言われる理由

新NISAとは、2024年1月にスタートした日本の制度で、従来のNISA(少額投資非課税制度)を拡充したもの。

株式や投資信託の譲渡益・配当金が一定の条件のもと非課税になる制度です。

年間360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)、生涯投資枠として1,800万円を税金を支払うことなく運用できるお得な制度。それなのになぜ、「怪しい」「やめた方がいい」などと言われるのでしょうか。

調べてみると、その背景には次のような誤解理解不足があることが分かりました。

新NISAは「国が作った投資商品」という誤解

新NISAとは、投資で得た利益が非課税になる「制度」のことです。

でも、中には新NISA=国が作った投資商品だと思っている人もいるようです。実を言うと、私の弟もその一人でした。

帰省中に弟(アラフォー)と話していたところ、「姉ちゃん、新NISAなんて買ったの?なんか怪しくね?」と言ってきたのです。

ビックリすると同時に、おそらく「新NISA」を銘柄だと思っている人は意外と多いのかもれないな、と思いました。

今日子
今日子

だとしたら、「怪しい」と身構えたくなるのもわかる気がする…

新NISAとは、利用することで投資の利益が非課税になる制度なだけ。それ自体が投資商品なわけでもなければ、新NISAだけで買える特定の銘柄があるわけでもありません。

新NISAの投資枠内で買おうがそうでなかろうが、利益が出るときは出るし、損をするときは損をする。

利益が出た際に課税されない分、NISAのメリットは大きいといえます。

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元本割れのリスクは、新NISAに限った話じゃない

「新NISAは元本割れの可能性がある。だからやめたほうがいい」という意見もあります。

元本割れのリスクがあることについては、実際その通りです。

何かに投資する以上、元本保証などまずあり得ず(「元本保証」と言われたらまず詐欺を疑いましょう!)損失の可能性は常にある。

ただ、これは新NISAに限ったことではありません。新NISAだから元本割れしやすい、ということもありません。

繰り返しになりますが、新NISAとは単なる「非課税制度」だからです。

さらに、元本割れを嫌って投資を避け、日本円を銀行に預けたままだとしても、インフレで実質的に円の価値が目減りするリスクがあることも忘れてはいけません。

新NISAに限らず投資をする以上「元本割れリスク」を避けて通ることはできませんが、投資しないこともまたリスクになりうるのです。

新NISAは「将来的に課税される」という憶測

「新NISAは国の罠だ!」という声もあります。

具体的には、「非課税を謳って資金を集め、将来的に課税するつもりでは?」という憶測です。

今日子
今日子

うーん・・・これは流石に陰謀論に近いのでは・・・

2024年に制度が改正され、非課税期間が恒久化された新NISAに課税されるなんてこと、私はあり得ないと思っています。

仮に、本当に「仮」の話ですが(強調しときます)、将来的に課税されると仮定して…

税金とは、利益に対してかかるもの。利益が出ていれば、税金を引かれたとしても損をすることはありません(利益がなければ、税金もありません)。

それは一般口座や特定口座で投資をしているのと変わらず、新NISAを利用しているからといって損をすることはないはずです。

もちろん、新NISAへの課税なんて決まったら相当腹が立つとは思いますが…

NISAについて考えるロボット

と、ここまでは仮定の話。

現状では、新NISAの非課税期間は無期限(一生涯)です。

将来的に課税されるかも、というのは根拠のない憶測に過ぎません。

それよりも、新NISAは「年金制度はもうダメだから自分たちで何とかしてね」という、国からのメッセージと捉える方が妥当ではないでしょうか。

だとすれば、国が新NISAを「改悪」するメリットはどこにもありません。

損益通算や繰越控除ができない

新NISAのデメリットとしてよく挙げられるのが、「損益通算・繰越控除」ができない点です。

損益通算:特定口座や一般口座で発生した複数の投資の利益と損失を合算し、税金がかかる課税対象の利益を減らすしくみ

損失の繰越控除:損益通算しても損失が残る場合、その損失を翌年以降(最大3年間)に繰り越して、将来の利益から差し引くことができるしくみ

新NISAでは、利益に対して税金がかからない代わりに、損失も税制上「なかったもの」と見なされます。

そのため、損失が出ても他の口座の利益と通算したり、繰り越したりすることはできません。

しかし、これは単なるデメリットというより、新NISAの「非課税」メリットとのトレードオフです。

口座の目的が「損失を出して損益通算・繰越控除をする」ことであれば、新NISAを使うべきではありませんが、通常そんな目的で投資をする人はいないはず。

ほとんどの人にとって、投資の目的は利益を上げることです。そして利益が出たなら、課税されるよりされない方がありがたいはず。

となれば、「損益通算・繰越控除」ができないことも、やはりNISAを利用しない理由にはならないのです。

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おわりに

私自身は、将来の資産形成を目指して投資をしています。

息子たちの学費や自身の老後資金を考えたとき、投資のリターンなしでは明らかに足りないから。

ただ、誰もが同じ状況にあるわけではないと理解していますし、投資をすべきだと全員に勧めるつもりもありません。「投資をしない」という選択肢も、当然アリだと思っています。

それでももしあなたが投資による資産形成を目指すなら、新NISAはメリットだらけの制度です。積極的に税金を払いたい場合を除き、敢えてNISAを避けて投資をする理由は見当たりません。

「あやしい」「やめとけ」「国の罠」といったネットの情報に惑わされずに、まずはよく調べてみることをお勧めします。

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